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インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針

読了。

インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針

インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針

タイトル通り、心理学。かなり学術よりなのですぐにどうこうという知識じゃない。
色んな論文やら何やらからの認知心理学・行動心理学あたりでUIに関係しそうな知識まとめ的な感じ。

面白かったのはエラーの部分。
エラーを「プラスのエラー」、「マイナスのエラー」、「どちらでもないエラー」の3つに分類している。

・プラスのエラー : 目的は達成できなかったが回復が容易であり、かつ新たな操作を学習出来たエラー。
・マイナスのエラー : 回復が不可能で取り返しがつかなくなったエラー(ファイル削除など)。
・どちらでもないエラー: 回復が容易ではあるものの、新たに操作を学習することも出来なかったエラー。

つまり、エラーが発生した際のユーザーにとってのメリット・デメリットの割合分けという事。
マイナスのエラーは言わずもがなでストレス溜まる。
しかし、どちらでもないエラーも期待を裏切られているわけなので、ユーザーは混乱してしまう。
特にUIが無反応な場合はエラーなのかUIが固まってるのかわからなくてアレ。

じゃあプラスのエラーはどうなのか。
デザイニング・インターフェース 第2版 ―パターンによる実践的インタラクションデザインだと正しいUIはユーザーを緩やかな学習へと案内するらしい。
つまりトライアンドエラーの精神で色々試すことができるデザインを推奨している。
ただ、もちろんエラーには代わりはないので、究極的には発生しないほうが良いわけですが、どう考えても他の2つよりはマシですね。

デザイニング・インターフェース 第2版 ―パターンによる実践的インタラクションデザイン

デザイニング・インターフェース 第2版 ―パターンによる実践的インタラクションデザイン

ちなみにもう1つエラーの分類を取り上げられていて、
「やり損ないエラー」、「省略エラー」、「誤動作エラー」の3つ。

・やり損ないエラー: 直接必要のない操作をしてしまうエラー。
・省略エラー : 必要な操作をしなかったエラー(入力漏れなど)。
・誤動作エラー : 操作の内容をミスしてしまったエラー(入力内容誤りなど)。

省略エラーは一番防ぎやすいですね。
Webのバリデーションの中で一番やってくれてるものじゃないでしょうか。
誤動作エラーも同じくバリデーションとしてはされているものもありますが、検出が難しいですね。
例えば電話番号入力なら数値以外でfailですが、メアド入れてくださいで間違ったメアド入れられた時の検出とかかなり難しい。
(実際に送ってみて、メール内容のURL踏んでください方式が一般的ですが、
これもすぐにメールが送られないものだとユーザーが認識していれば破綻します。)

そして一番厄介なのがやり損ないエラー。
これもかなり検出がめんどくさい。
別の操作をユーザーが意図したものなのか(面倒だからまとめて操作しよう、と考えたのか)、
意図せずにしたものなのか(先ほどの学習の要領で色々と触って結果偶然別の部分が操作されたのか)は機械からは認識不可能です。
例え適切なフィードバックを施していても、ユーザーは予測できないフィードバックを怖がりますし、最悪の場合よくわからないものとして無視します。
そしていつの日かその副作用的な操作エラーの影響がアプリケーション上に現れてユーザーは大混乱。
慌ててサポートセンターに電話してこう言います。
何もしてないのにいきなり壊れたんですが

解決策としては1つの画面に複数の操作を入れない、とかですかね。
ただビギナー以外には優しくないUIになりそうですね。